不同意わいせつ罪で自首したい|弁護士同行のメリットと逮捕の可能性
突然の警察の訪問に怯え、夜も眠れない日々を過ごしていませんか?
不同意わいせつ罪を起こしてしまった場合、「自首」は処分を軽減し、逮捕を回避するための有効な手段となり得ます。
しかし、十分な準備なしに一人で警察へ行くと、そのまま逮捕されてしまうリスクもあります。
本コラムでは、自首による逮捕の可能性や判断基準、そして弁護士に同行を依頼するメリットについて分かりやすく解説します。
1.不同意わいせつ罪で自首をするメリットはあるの?
2023年7月の刑法改正により、従来の「強制わいせつ罪」は「不同意わいせつ罪」へと改められ、被害者の同意がない状況で行われたわいせつ行為がより幅広く処罰対象となりました。
法定刑は「6か月以上10年以下の拘禁刑」と定められており、罰金刑の規定がない非常に重い罪です。

[参考記事]
不同意わいせつ罪は罰金で済むのか?裁判・実刑になるケースを解説
不同意わいせつをしてしまった場合、「警察が来るかもしれない」「家族や職場に知られたらどうしよう」と、捜査の手が及ぶ恐怖に怯えて過ごすことになり、これは精神的にも大きな負担となります。
そんな時、「自首」を考える方も多いのではないかと思います。
刑法第42条では、捜査機関に発覚する前に自首した場合、刑を減軽することができると規定されています。
刑法42条
罪を犯した者が捜査機関に発覚する前に自首したときは、その刑を減軽することができる
自首という形で自ら罪に向き合う態度は、反省の深さを示す客観的な証拠となり、逮捕の回避はもちろん、最終的に「不起訴処分」を得て前科をつけずに済む可能性や、裁判での執行猶予判決を引き出す確率を高めます。
しかし、自首をした後は刑事手続きが本格的に開始されますので、弁護士のサポートを受けながら、十分な事前準備と各段階の適切な対応をするようにしましょう。
2.自首で逮捕or在宅事件となる条件
(1) 自首=即逮捕ではない
警察に自首するとそのまま逮捕されてしまうのではないか、と不安に思う方も多いでしょう。
しかし、自首したからといって必ずしもすぐに逮捕されるわけではありません。
警察が被疑者を逮捕するのは、法律上「逃亡の恐れ」または「罪証隠滅(証拠隠滅)の恐れ」があると判断した場合に限られます。自首によって自ら捜査機関に赴き、逃亡や証拠隠滅の意思がないことを客観的に示せれば、身柄を拘束されずに自宅から警察署へ通う「在宅事件(在宅捜査)」として手続きが進む可能性が十分にあります。
(2) 逮捕されるケースと逮捕されないケースの違い
ただ警察署の窓口に行って自首をすれば、勝手に逮捕を回避できるというわけではありません。
何の準備もなく自首した場合、警察の取り調べの流れのままに「逃亡や証拠隠滅の恐れがある」と判断され、その場で逮捕されてしまうリスクが残ります。
逮捕される(身柄事件となる)か、在宅事件になるかを分ける主な判断要素は、以下の4点です。
- 否認せず、真摯な反省の態度を取っているか
- 家族など、身元を保証し逃亡を防ぐ監督者(身元保証人)がいるか
- 被害者に接触して脅迫や口裏合わせを行う危険性がないか(被害者との関係性)
- 防犯カメラ映像やスマホのデータなど、証拠を消去・隠滅しようとした形跡がないか
これらが肯定的に評価されれば、警察も「逮捕して身柄を拘束する必要はない」と判断しやすくなります。
自首のやり方やタイミング、身元保証の手配、捜査機関へ提出する資料の作成など、事前に万全の準備を整えておくことが、逮捕回避を実現するポイントとなります。

[参考記事]
自首のやり方と成立要件|出頭との違い
3.自首で弁護士は同行するメリット
自首を決意した際、一人で警察署へ向かうことはリスクがあります。自首に関する知識や刑事事件手続きの理解がないまま自首すると、取り調べで不利な状況に追い込まれたり、その場で逮捕されてしまったりする危険性があるためです。
自首をすることで得られるメリットを最大限にした上で身柄拘束を避けるためには、弁護士の同行が不可欠と言えます。
(1) 自首の前に念入りな準備を行う
弁護士は、自首する最適な「タイミング」や「方法」を見極めた上で、自首前に徹底した事前打ち合わせを行います。
警察署でどのように話すべきか、取り調べにどう対応すべきかといった具体的なアドバイスを受けられるため、不用意な発言による悪影響を防ぐことが可能です。
こうした万全の準備により「逃亡や証拠隠滅の恐れがない」ことを示せば、逮捕を回避して在宅捜査へと導く可能性を高めることができます。
また、警察による取り調べは独特の雰囲気があり、捜査員の誘導に乗って意図しない発言をしてしまうリスクは0ではありません。
一度事実と異なる「供述調書」にサインをしてしまうと、後から撤回することは極めて困難です。
自首前に、弁護士から黙秘権の使い方や、調書への署名・押印時の注意点について指導を受けることで、不当な取り調べから自身の権利を守ることができます。
(2) 早期の被害者示談交渉に着手できる
性犯罪事件において、不起訴処分を獲得するために最も重要なのは被害者との「示談成立」です。
しかし、捜査機関が加害者本人やその家族に被害者の連絡先を教えることはまずありません。
弁護士であれば、警察や検察官を通じてしかるべき手続きを踏み、被害者の連絡先を取得して示談交渉を進めることができます。
自首の段階から弁護士が介入することで、早期の示談成立・不起訴獲得へ向けた迅速な対応が可能になります。

[参考記事]
不同意わいせつ罪で示談しないとどうなる?示談を拒否されたら
(3) 精神的安心感が得られる。
警察署に行き、自らの罪を告白する際の精神的ストレスは図り知れません。
弁護士が警察署の窓口まで付き添い、取り調べの直前までサポートしてくれるという事実は、孤立無援の状況において大きな心の支えとなります。
4.一人で悩まず、自首の前にまずは弁護士へ相談を
「早く楽になりたい」「自首は早い方がいいだろう」という一心で、何の準備もなく一人で警察署へ向かうのは非常に危険です。
特に、すでに被害届が出されて警察の捜査線上に名前が上っている場合、法律上の「自首」としては認められず、単なる「出頭」として扱われてその場で逮捕されてしまうリスクがあります。
法的効果のある自首を成立させ、逮捕を避けるためには、自首するタイミングや方法についての専門的な戦略が欠かせません。
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