商標法違反
商標法違反とは?
商標法とは、商標を使用する者に対して、その商標を独占的に使用することを認め、業務上の信用が維持されること、および需要者(消費者)の利益を保護することを目的としています。
簡単に言えば、商標権(指定の商品または指定の役務について、登録を受けた商標を独占的に使用できる排他的な権利)によって保護することで、ブランド品を扱うメーカーの信用を保護し、さらにはそれを信用してブランド品を購入した消費者の利益も保護することを目的としているのです。
したがって、偽ブランドの装飾品や衣類を販売したり、または販売目的で所持していたり、さらにはそれらの商品を輸出・輸入した場合には、商標法違反で処罰される可能性があります。
ちなみに、商標権侵害は故意がなければ成立しません。
つまり、その商品が本物だと信じていた場合には罪に問われません。ただ、「もしかしたら偽物かも?」と思っていた場合は、商標法違反で処罰される可能性があります。
商標法違反が発覚するきっかけとなるのは、主に、ブランド会社や税関、さらには偽ブランド品を受け取った消費者からの通報などです(他にもサイバーパトロール経由での発覚もあり)。
したがって、ブランド会社からの警告文や、偽ブランド商品を受け取った消費者からの問合せ(クレーム)があった場合は、安易に放置せず、まずは弁護士に相談することをおすすめします。放置してしまった結果、警察へ被害届が出されれば警察の捜査が開始されてしまうためです。
捜査機関としては、「商標法違反を犯したらこんなにも重く処罰されるのだ」ということを世間に周知したいという思惑もあり、近年では厳罰化の傾向にあります。
したがって、「きっと自分は大丈夫。バレたりはしない」という安易な気持ちは捨てて、慎重に行動すべきです。
具体的に、以下の行為が商標法違反にあたります
- 偽ブランドのバックをネットオークションで販売するために所持した
- 偽ブランドの洋服を海外から輸入した
- 有名メーカーの装飾品を偽造して、インターネットで販売した
つまり、偽ブランド商品・コピー商品を販売したり、販売目的で所持・輸入・輸出したりすれば商標法違反で処罰されるのです。
商標法違反の刑罰
商標権を侵害した場合
典型的な例は、偽ブランド商品を販売した場合です。
この場合、10年以下の懲役もしくは1000万円以下の罰金、またはその両方が併科されます。
商標権侵害とみなされる行為をした場合
典型的な例は、偽ブランド商品の販売を計画していた者が偽物の商品を所持していた場合、つまり商標権侵害の準備行為をしていた場合です。
この場合、5年以下の懲役もしくは500万円以下の罰金またはその両方が併科されます。
一般的に、商標法違反の量刑を行う場合、次の項目を基準として総合的に判断します。
- 商標侵害行為によって得た利益の額
- 侵害行為の回数の多少、頻度
- 商標法違反の内容(入念な計画に基づくものかなど)
- 商標法違反を遂行する際の手段の危険性
- 商標法違反の目的・動機
- 示談ないし被害弁償の有無やその金額
- 余罪・前科の有無
- 反省状況 など
商標法違反では、初犯の場合、示談や被害弁償が済んでいれば起訴されたとしても執行猶予となるのが通例です。
ただし、海外の一流ブランドなど、示談や被害弁償について非常に厳しい対応をとるブランドも多いので注意が必要です。
なお、同種の前科がある場合は、略式手続による罰金ではなく、公判請求されて刑事裁判となる可能性もあります。
商標法違反の弁護方針
警察沙汰になる前に話し合いをする
警察が介入する前に、弁護士が弁護人として被害者側と話し合います。
商標法違反の場合、まずはブランド会社や税関、またはコピー商品を受け取った商品購入者から警告文や問い合わせがあるでしょう。
それを放置せず、そのタイミングで話し合うことが重要です。
まずは、誠意ある謝罪、十分な被害弁償を行うことで、被害者の処罰感情を和らげましょう。話し合いで解決できれば、前科がつくことはもちろん、逮捕される心配もありません。
なお、当人同士での話し合いは平行線になってしまうケースや感情的になってしまうケースがほとんどですので、不安であれば迷わず弁護士に相談することをおすすめします。
示談成立を目指す
被害届提出や告訴がなされ警察が介入してきた段階であれば、不起訴処分を勝ち取るための示談成立を目指して、被害者との交渉を行います。
海外の一流ブランドなどは、日本の支社や、その商標を管理している会社と交渉することになります。
というのも、被疑者を起訴するかどうか判断するにあたり、検察官は示談の成否をとても重要視するからです。示談成立をアピールすることは、不起訴処分となる可能性を高めるための最も効果的な手段であると言えます。
商標法違反において示談を成立させるためには、被害弁償額、つまり示談金額がとても重要です。
ただ、被害弁償額があまりにも高額であれば、分割払いの交渉も行う必要があります。
会社によっては示談交渉に関して非常に厳しい対応をしてくることもありますので、スムーズに交渉を進めるためにも、示談交渉の経験豊富な弁護士に任せることをお勧めします。
また、被疑者の方に謝罪文や反省文を作成してもらい、被害者、そして検察官や裁判官にその書面を提出することで、きちんと反省している姿勢をアピールしていきます。
ご相談内容「示談したい」
早期釈放を目指します
被疑者が身柄を拘束されている場合、弁護士は早期の身柄解放を目指して、以下の弁護活動を全力で行います。
- 勾留請求をしないよう検察官に対して要求する。
- それでも勾留請求されてしまった場合には、勾留決定しないよう裁判官に要求する。
- それでも勾留決定が下されてしまった場合には、勾留決定を取り消してもらうよう、別の裁判官に対して要求する(準抗告を行う)。
当事務所では、これまでに商標法違反における多くの勾留阻止、身柄解放の実績がありますので、どうぞご安心ください。
ご相談内容「釈放・保釈してほしい」
否認している場合(無罪主張)
被疑者自身が本物と信じていた場合には、商標権侵害の故意がありませんので、商標法違反は成立しません。
そこで、無罪を主張する際には、被疑者がそう信じる合理的な理由があることを裁判官や検察官にしっかり伝えて説得していきます。
商標法違反に限った話ではありませんが、罪を成立させるには、いくつかの要件が必要となります。
したがって、それらの成立要件がきちんと揃っているかをじっくり検証します。
もし、成立要件を満たさないとの判断に至れば、その点を検察官や裁判官に強く主張して、無罪を勝ち取ります。