大麻
大麻取締法違反
大麻において問題となる態様は、主に大麻の①所持、②売買(譲渡・譲受)、③栽培、④輸出入の4つです。
大麻の所持(栽培)については、家宅捜索や、挙動不審者の職務質問をきっかけに摘発されるケースが多いです。
大麻の譲渡に関しては、いわゆる売人が問題となります。また、譲受の場合には、売人とのメールや通話履歴などから発覚することが多いです。
【大麻の使用だけでは違法とされない】
実は、大麻を使用するだけでは処罰されません。尿検査をして大麻の陽性反応が出たとしても、逮捕されたり刑法で処罰されたりすることはないのです。
大麻使用が違法でない理由の一つとして、大麻種子が調味料や鳥のエサとして普及しており、規制自体が難しいことが挙げられます。
大麻取締法違反の刑罰
所持 | 営利目的なし: 5年以下の懲役 |
営利目的あり: 7年以下の懲役 または情状により200万円以下の罰金を併科 |
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譲渡・譲受 | ||
栽培 | 営利目的なし: 7年以下の懲役 |
営利目的あり: 10年以下の懲役 または情状により300万円以下の罰金を併科 |
輸入・輸出 |
所持容疑の場合、押収された大麻の量が1回使用するために必要な量を大きく下回っている(きわめて少量の)場合には、不起訴となることもあります。
しかし、実際には大麻所持の多くのケースでは公判請求され、裁判になります。
もっとも、初犯の場合、起訴されたとしても執行猶予で終わる可能性が高いです。
ただ、同種の前科がある場合や、大麻の栽培・販売、さらには輸出入まで行っていた場合には、実刑判決が下される可能性があります。
仮に営利目的での栽培・輸出入であれば、量刑はかなり重くなり、懲役と罰金が併科されるでしょう。
大麻取締役法違反における弁護方針
心を入れ替える姿勢をアピールする
大麻取締法違反は、被害者なき犯罪です。したがって、不起訴処分や執行猶予判決を得るために有効な手段である、「被害者との示談成立」を検察官や裁判官にアピールできません。
ですので、まずは「薬物依存の状態を絶対に克服する」という強い気持ちを持つところから始めましょう。
薬物依存が高ければ高いほど、薬物を断つことは決して容易ではありません。しかし、だからこそ自身の「絶対に更生したい」「人生をやり直したい」という確固たる決意が必要です。
そして「決して薬物に二度と手を出さない」という姿勢を検察官や裁判官に強くアピールしていくことこそが、最終的には不起訴処分や執行猶予付き判決の獲得に繋がります。
他にも、「今後、二度と同様の行為をおこさないよう、被疑者をきちんと監督していきます」といった誓約書を被疑者のご家族に書いてもらい、検察官や裁判官に提出することも有効です。
専門の治療機関や更生支援団体の力を借りる
大麻取締法違反は、他の犯罪に比べて再犯率が高いです。
大麻に依存している度合いが高ければ高いほど、被疑者ご自身の力だけで大麻依存から脱却するのは非常に困難です。
そこで、薬物専門の医療機関での治療を受けたり、回復支援施設(ダルク等)へ入所したりすることで、大麻依存からの脱却を図ることをおすすめします。
そして、医療機関での診断書やカルテ、回復支援施設の入所を証明する書面を検察官や裁判官に提出することで、今後の更生を強くアピールして行きます。
このような取り組みは、ご自身の今後の更生のためにも有益な処置でしょう。
大麻や関連組織から手を引く
たとえば、大麻の入手ルートについては、包み隠さず裁判官に打ち明けるべきです。仮に法廷で言葉を濁すことがあれば、「まだ大麻に未練があるのでは?」と裁判官の心証を悪くしてしまい、被疑者の方にとって不利な結果に結び付く可能性が高まってしまいます。
大麻の入手ルートをきちんと打ち明けることで、「大麻への未練を完全に断ち切る」という今後の更生を強くアピールすることが大切です。
また、大麻を入手できる仲間や反社会的組織などと決別することが必要です。
そういったグループからの脱却を証明できるものがあれば、積極的に検察官や裁判官にアピールしていきます。
早期釈放を目指す
大麻の事件の場合、そのほとんどのケースでは逮捕・勾留されます。一般的に大麻事件では、被疑者を勾留しなければ証拠隠滅や仲間との口裏合わせを図る可能性が高いとみなされているためです。
被疑者が身柄を拘束されている場合には、早期の身柄解放を目指して、以下の弁護活動を全力で行います。
- 勾留請求をしないよう検察官に対して要求する
被疑者の家族の身元引受書や上申書、意見書を検察官に提出して釈放を働きかけます。 - 勾留決定しないよう裁判官に要求する
裁判官に伝わっていない事情や勾留のもたらすデメリットなどを記載した意見書を裁判官に提出して釈放を働きかけます。 - 勾留決定を取り消してもらうよう裁判官に対して要求する
いわゆる、“準抗告”です。準抗告が認められれば勾留決定取消し釈放となります。
一般的に大麻事件では、弁護士による準抗告が認められるのも容易ではありません。
しかし、起訴後の保釈においては、大麻の「所持」事件で初犯であれば、弁護士が身元引受人を用意し、しっかりとした保釈請求をすれば、高い確率で保釈は認められます。