盗撮 [公開日]2025年1月27日[更新日]2025年3月10日

盗撮で逮捕されたらどうなる?流れと刑罰(懲役・刑期)について

盗撮で逮捕されたらどうなる?流れと刑罰(懲役・刑期)について

盗撮は、現行犯逮捕をされても容疑を認めていればすぐに釈放され、在宅事件として捜査が進むことが多いです。

しかし、通常の盗撮でも警察の判断如何では逮捕・勾留されることがあります。
また、起訴された場合、裁判がなく罰金刑に止まっても「前科」がつきます。

盗撮だからと甘く見ず、特に逮捕されてしまったならば弁護士のサポートを受けながら示談交渉などを進める必要があるでしょう。

このコラムでは、盗撮を犯した方が逮捕されるケースのほか、「逮捕後はどうなるのか?」「前科を避けるにはどうすれば良いのか?」について解説します。

1.盗撮で逮捕されるケース

冒頭の通り、盗撮により逮捕されるケースは多くありません。

しかし、明らかな証拠があるのに(スマホなどに盗撮画像が残っているのに)盗撮行為を否認している場合や、同一女性に対してストーカー的に盗撮を繰り返している場合など、悪質性が高い事件のケースでは、盗撮で逮捕されてしまうこともあります。
また、「このまま釈放をしたら、再犯や逃亡、罪証隠滅をする可能性がある」と判断された場合も逮捕される可能性はあります。

逆に言えば、軽微な盗撮事案であり、再犯、逃亡、罪証隠滅の恐れがないと判断されれば、逮捕後はすぐに釈放され在宅事件へと切り替わることになります。

逮捕・勾留された場合、身体拘束が長引けば退学や解雇の危険性が高まります。また、被害者との示談交渉をすることができず、何もしなければ罰金などの判決を下されてしまう可能性が高いでしょう。

2.盗撮の刑罰(懲役・刑期)

盗撮は「性的姿態等撮影罪(=撮影罪)」として処罰されます。
刑法には盗撮罪という犯罪は存在せず、過去には都道府県ごとの迷惑防止条例違反や軽犯罪法違反で処罰が決定していましたが、2023年に「性的姿態撮影等処罰法」が施行され撮影罪として厳罰化したことになります。

撮影罪の刑罰は、「3年以下の拘禁刑又は300万円以下の罰金」です。

これまでの盗撮の刑罰は、撮影する場所によって、各都道府県の“迷惑行為防止条例違反”に該当する場合と、“軽犯罪法違反”に該当する場合の2つに分かれていました。撮影罪は、これらの刑罰よりも厳罰化されています。

例えば、東京都の迷惑防止条例では、盗撮行為の刑罰(罰則規定)は1年以下の懲役又は100万円以下の罰金(8条2項1号)です。
軽犯罪法違反の盗撮は、拘留(1日~30日未満)又は科料(1,000円~1万円未満)(1条)でした。

なお、盗撮行為をするために住居やビル内に立ち入った場合には、別途、住居侵入罪や建造物侵入罪が成立する可能性があります。

3.盗撮で逮捕された後の流れ

盗撮で逮捕をされると、起訴・不起訴の決定まで以下のような流れで進みます。

身柄事件における身柄の拘束は、「逮捕」⇒「勾留」の順に行われます。

(1) 逮捕に続く勾留

逮捕後、被疑者に逃亡や証拠隠滅のおそれがある場合、警察はすぐに被疑者を釈放せず、留置施設に留置したまま取り調べを行うことができます(48時間以内に限る)。

その結果、「被疑者を釈放しないで、さらに身柄を拘束したまま取調べをする必要がある」と警察が判断した場合、被疑者は検察庁へ送致されます。その後は逮捕に続く「勾留」という形になります。

検察官が逃亡や証拠隠滅のおそれがないと判断した場合には、検察官の判断で釈放されます。
一方、「さらに身柄を拘束して取り調べる必要がある」と検察官が判断した場合、検察官が裁判官に対して勾留請求を行います。

検察官から勾留請求を受けた裁判官は被疑者に質問したり、被疑者の弁解を聴取したりします。
そのうえで、逃亡や証拠隠滅を図るリスクを十分考慮して、検察官からの勾留請求を認めるか否かを裁判官が判断します。

もし裁判官が勾留請求を認めれば、10日間の勾留決定がなされます。10日間の勾留期間内で必要な捜査が終わらない場合には、検察官はさらに最長10日間の勾留延長請求を行います。

(2) 起訴・不起訴

検察官は、上記の最大20日間の勾留期間以内に、被疑者を起訴するか、あるいは釈放するか(不起訴・処分保留)の判断を行います。

身柄事件で起訴された場合、略式起訴でないならば、裁判までそのまま引き続き身柄を拘束されるのが通例です。
略式起訴とは、検察官の請求を受けた簡易裁判所が公判を開かず、書面審理だけで100万円以下の罰金または科料の刑罰を被告人に課す手続きです。

盗撮事件の場合、罰金刑のみの判断となることも多いでしょうから、ほとんどのケースで略式起訴になると思われます。
略式起訴ならば、起訴された被告人は法廷に出廷する必要はなく、書類を受け取って罰金を納めることで事件が終了となり釈放されます。

とはいっても、略式起訴は起訴の一種なので、略式起訴で有罪判決(罰金・科料)が出されれば前科がつくことに変わりありません。

一方、公判請求となり裁判が開かれることになる場合、「起訴後においても、逃亡や証拠隠滅を図るおそれがある」と判断されれば、引き続き身柄を拘束されます。

しかし、起訴後勾留されている状態から身柄を解放させる方法として、「保釈」請求があります。
保釈請求が認められれば、一定金額の保釈金を裁判所に納めることで、釈放となり、自宅に戻ることができます。

保釈中でも、当然ながら裁判の際は法廷に出席しなければなりません。
裁判は起訴から約1ヶ月後に第一回が開廷されることが多いようです。

4.盗撮事件の刑事弁護

盗撮事件で逮捕されてしまった場合、あるいは逮捕されずとも検挙されて在宅捜査が始まった場合、弁護士に依頼をすれば以下のような刑事弁護活動を受けられるため、不利益を回避できる可能性が極めて高くなります。

(1) 逮捕・勾留の回避

刑事犯罪で逮捕されたら、最大48時間警察署に留置された後、検察庁に送検されます。この後は検察官が被疑者を取り調べることになりますが、検察官は逮捕から72時間以内に、裁判官に対してその後10日間の勾留請求をするかどうか判断します。

勾留請求を受けた裁判官が「勾留が必要である」と判断すれば、被疑者は逮捕に続き長期間の身体拘束(勾留)を受けます。勾留の期間は延長も含めれば最大20日(逮捕からは23日)に及びます。

弁護士に刑事弁護を依頼すると、逮捕やそれに続く勾留を阻止する、あるいは早期釈放を目指す活動をしてくれます。

特に当事務所の弁護士は、依頼を受けると早急に被疑者の身柄が置かれている警察署に接見に出向き、被疑者から事情をお聞きした上で今後の対応に関するアドバイスを行います。
また、家族の方には事務所に来所いただき身元引受書や上申書(警察官に対して意見や報告をする書類)を作成いただくほか、弁護人意見書も作成します。

これらを警察官・検察官に事前に提出することで、釈放を促したり、勾留請求をしないように働きかけたりすることが可能です。
盗撮ではこのような刑事弁護活動で多くの場合は勾留請求されず釈放となるでしょう。

もっとも、冒頭の通り警察や検察が盗撮の犯行態様が悪質と判断した場合には、裁判所に勾留請求することもありえます。
この場合も、当所の弁護士は諦めずに準抗告(勾留決定に対する不服申立)などで釈放を目指します。

(2) 被害者との示談交渉

書面の提出だけでは、必ず起訴を免れるとは言えません。
不起訴を獲得するには、弁護士が検察官・警察官を通して盗撮被害者の連絡先を聞き、被害者と示談交渉をする必要があります。
※検察官・警察官が被疑者本人に被害者の連絡先を教えることはありません。

示談交渉では、まずは弁護士が代わって被疑者からのお詫びをお伝えします(被疑者が書いた謝罪の手紙を渡すことも多いです)。
被疑者の反省・謝罪をご理解いただければ、慰謝料と被害弁償の性質を兼ねた示談金額を提示し、ご検討していただきます。

最終的に被害者の方が示談金について納得すれば、示談書の締結と示談金のお支払いとなります。
示談書を検察官に提出すれば、初犯の盗撮であれば通常は不起訴になり、前科はつきません。

示談交渉は、被害者の感情に寄り添いながら丁寧に話し合いを進め、適正な金額で示談をする必要があります。
よって、盗撮事例について十分経験を積んだ弁護士に依頼することをおすすめします。

なお、余罪が多くあるようなケースでは、例え示談が成立していても「反省をしていない」「また繰り返す可能性がある」と思われ、罰金刑になってしまうことがありえます。

示談したい

(3) 悪質な盗撮の弁護

常習的盗撮、再犯など、犯行容態が悪質な盗撮である場合は、示談の成否に関わらず裁判官に勾留請求をされる可能性が高くなります。

当事務所は、これまでの経験から「勾留請求となる可能性がある」と思われる事案では、当初から勾留請求される可能性を念頭に置いて裁判官向けの書類(意見書など)を作成し、迅速に対応する体制をとっております。これにより、勾留決定されず釈放となる可能性が高くなるのです。

実際、常習的盗撮で同種の罰金前科があり、裁判官の勾留決定も十分予想される中、裁判官の勾留決定を阻止し、その日の午後に無事釈放となった解決事例があります。

5.まとめ

悪質性が高い盗撮事件や再犯の場合、盗撮で逮捕される可能性は0ではありません。
また、在宅でも盗撮の検挙はされていることになりますので、犯した罪を甘く見て放置していては起訴される可能性があります。罰金刑でも有罪であるため前科がつきます。

盗撮事件については、弁護士が被害者と示談交渉を行い、示談が成立すれば(初犯であれば)不起訴となるケースがほとんどです。

逮捕された、されていないに関わらず、盗撮事件は刑事弁護経験が豊富な泉総合法律事務所の弁護士泉義孝にご相談ください(初回相談は無料です)。

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