不同意わいせつ罪の初犯はどうなる?不起訴・罰金・実刑の見通し
相手方と不同意のままわいせつな行為をしてしまった場合、「初犯なら罰金で済む?」「刑務所に入ることになる?」と不安を抱えている方もいると思います。
結論から言うと、不同意わいせつ罪には罰金刑がなく、起訴されれば必ず裁判となります。
しかし、初犯の場合、早期に適切な対応をとれば、不起訴処分で前科をつけずに解決したり、起訴されても執行猶予を獲得して実刑を免れたりできる可能性は十分にあります。
本コラムでは、不同意わいせつ罪における初犯の処分の見通し(不起訴・執行猶予・実刑)や、実刑・前科を回避するために最も重要な弁護活動・示談のポイントについて詳しく解説します。

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1.不同意わいせつ罪に「罰金」はない
「性犯罪が厳しい目で見られているとはいえ、初犯だし、不同意わいせつ罪ならば罰金刑を払って済むだろう」と考えている方がいれば、それは大きな誤解です。
不同意わいせつ罪(旧・強制わいせつ罪)には、法律上「罰金刑」という規定が存在しません。
不同意わいせつ罪の法定刑は「6か月以上10年以下の拘禁刑(旧:懲役刑)」と定められています。
軽微な犯罪で用いられる「略式手続き(公開裁判を開かずに罰金で処理する手続き)」は適用されないため、起訴された場合は必ず公開の法廷で正式な裁判を受けることになります。
なお、罰金刑がないからといって、初犯で必ず刑務所へ行くことになるわけではありません。
初犯の場合、捜査段階や裁判での対応によって、主に以下の3つの処分に分かれます。
- 不起訴処分(起訴猶予):裁判が開かれず、事件が終了する。前科もつかない。
- 執行猶予つき判決:裁判で有罪(拘禁刑)とされるが、一定期間問題なく過ごせば刑の執行が猶予され、刑務所に入らず済む。
- 実刑判決:初犯であっても事件の内容が危険・悪質と判断された場合、即座に刑務所へ収監される。
「初犯だから罪が軽くなるだろう」と楽観視するのではなく、前科や実刑を避けるために何ができるのかを早期に知ることが重要です。

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2.前科を回避するなら「不起訴処分」
前科をつけず、会社や学校にも知られずに事件を解決したい場合、目指すべきは「不起訴処分(起訴猶予)」の獲得です。
日本では、起訴されると99%以上の確率で有罪判決となるため、前科を回避するには「検察官に起訴されないこと」が絶対条件となります。
事件を起こした事実が間違いなくても、反省の態度や被害者との示談状況を考慮し、検察官の判断で起訴を見送る措置を「起訴猶予」と呼びます。
(1) 不起訴獲得の最大の鍵は「被害者との示談成立」
不同意わいせつ罪のような性犯罪において、不起訴処分を得るために最も重要となるのが「被害者との示談成立」です。
被害者への謝罪と示談金の支払いがなされ、示談書の中に「処罰を望まない(宥恕:ゆうじょ)」という条項を入れてもらうことができれば、検察官は「被害回復がなされ、処罰の必要性が低くなった」と判断しやすくなります。
特に、初犯であれば、示談が成立することで不起訴処分となる可能性が大幅に高まります。

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(2) 示談交渉にはタイムリミットがある
検察官が起訴・不起訴を判断するまでの期間は、逮捕・勾留されている場合、最長でも20日間しかありません。
この短い期間内に被害者の心身の傷に配慮しながら示談をまとめなければならないため、一刻も早く行動を開始することが不可欠です。

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3.起訴された場合の対応|執行猶予と実刑を分ける条件
示談が成立しなかった、などの理由で起訴されてしまった場合、裁判で「執行猶予」が得られるか、あるいは「実刑判決」となって直ちに刑務所へ収監されるかが大きな分かれ目となります。
(1) 初犯なら執行猶予が付くケースが多い
通常、前科がない初犯の場合、裁判では「執行猶予つき判決」となるケースが比較的多いのが実情です。
執行猶予が付けば、指定された期間内に再び罪を犯さない限り刑期を務める必要はなく、日常生活や仕事を続けながら社会復帰を目指すことができます。

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執行猶予とは?執行猶予付き判決後の生活について(仕事、旅行)
(2) 初犯でも「実刑判決」になるケース
ただし、「初犯だから絶対に刑務所へ行かずに済む」と思い込むのは非常に危険です。
初犯であっても、事件内容によっては執行猶予がつかず実刑判決(刑務所収監)が下されるリスクがあります。
特に、以下のような事情がある場合は実刑の可能性が高まります。
- 犯行の悪質性・危険性が高い:暴行や脅迫の態様が激しい、刃物などの危険物を使用した、あるいは長時間にわたり執拗に行われた場合。
- 計画的な犯行である:事前に待ち伏せをしたり、つきまとったりするなど、あらかじめ計画を立てて行われた場合。
- 余罪が多数存在する:今回が初逮捕であっても、過去に同種の犯行を何度も繰り返していたことが発覚した場合。
- 被害者の処罰感情が極めて強い:被害者へ謝罪や賠償(示談)を行っておらず、反省の態度も見られないと判断された場合。
起訴された後であっても、執行猶予を獲得して実刑を回避するためには、真摯な反省と再発防止策を提示すること、そして示談交渉の成立といった適切な主張・立証が必要です。
4.身柄拘束や実刑を回避するための「示談」
身柄拘束の長期化を防ぎ、不起訴や執行猶予を得るための最も有効な解決策が「被害者との示談」です。しかし、性犯罪事件における示談交渉は、一般的な事件とは異なる難しさがあります。
(1) 加害者本人による示談交渉は不可能
性犯罪の被害者は、加害者に対して強い恐怖心や処罰感情を抱いています。そのため、二次被害や脅迫を防ぐ観点から、警察や検察が加害者本人やその家族に被害者の連絡先を教えることは絶対にありません。
実質的に示談交渉を進められるのは、守秘義務を持つ弁護士のみです。
弁護士が間に入ることで初めて、被害者の心情に配慮しながら穏便に交渉の席につくことが可能になります。
(2) 逮捕後は「最大20日間」のスピード勝負
逮捕・勾留されてしまった場合、検察官が起訴・不起訴を決定するまでの制限時間は最長で20日間です。
このわずかな期間内に示談を成立させなければ、起訴されて裁判となるリスクが一気に高まります。
長期の身柄拘束を解き、実刑や前科を回避するためには、逮捕直後から弁護士を介して迅速に示談交渉へ動くことが重要です。

[参考記事]
弁護士なしでの示談はリスク大!示談交渉を弁護士に依頼すべき理由
5.まとめ
不同意わいせつ罪には罰金刑がなく、起訴されれば裁判に発展しますが、初犯であれば早期の示談成立によって不起訴を獲得できる可能性が十分にあります。
「初犯だから大丈夫だろう」と事態を楽観視して対応を遅らせてしまうと、長期の身柄拘束による解雇・退学や実刑判決など、取り返しのつかない深刻な結果を招きかねません。
これを避けるためにも、事件が発生した・逮捕された場合は一刻も早く泉総合法律事務所の無料相談をご利用ください。

