盗撮 [公開日]2018年3月8日[更新日]2025年4月3日

盗撮事件における示談金の相場・示談方法|迷惑防止条例違反の場合

盗撮事件における示談金の相場・示談方法|迷惑防止条例違反の場合

盗撮で検挙されてしまった場合、そのまま放置していると起訴されて前科がついてしまう可能性が高いです。前科がつくと、その後の人生に大きな影響を与えるリスクがあります。
盗撮で逮捕されたら、仮にすぐに釈放されたとしても、前科を回避するための弁護活動を弁護士に依頼する必要があります。

盗撮事件だけでなく、痴漢や不同意わいせつ事件のように特定の被害者がいる犯罪においては、被害者側との間で問題が解決しているかどうか、つまり示談が成立しているかどうかが刑事処罰に大きな影響を与えます。

では、盗撮事件においてはどのように示談を成立させ、示談金はどのくらい準備をすれば良いのでしょうか?

1.盗撮事件で示談が大事な理由

盗撮は「性的姿態等撮影罪(=撮影罪)」として処罰されます。
撮影罪の刑罰は、「3年以下の拘禁刑又は300万円以下の罰金」です。

一般的に、盗撮行為の量刑を行う場合、次の項目を基準として総合的に判断します。

  • 盗撮行為の態様(悪質性、計画性など)
  • 盗撮行為の動機
  • 示談・被害弁償の有無
  • 示談金額・被害弁償額
  • 前科・前歴の有無

盗撮事件の場合、被害者との示談が成立すれば不起訴処分となり前科がつかないケースが多いです(初犯の場合)。
これは、検察官が起訴するかどうかを検討する際、示談の成否を重要な判断材料の一つとみなしているからです。

過去に盗撮で罰金刑を1回受けているような被疑者でも、示談が成立すれば不起訴になる可能性はあります(しかし、それ以上に盗撮の前科があると、示談が成立しても罰金刑以上の可能性が高いと思われます)。

逆に言えば、盗撮行為が見つかり警察に検挙され、仮に示談ができなかった場合には、初犯であっても罰金刑になるのが通常です。

罰金刑の場合には「略式起訴」といって、正式裁判は開かれず、罰金を納付するだけで事件が終了となります。
しかし、罰金刑であっても前科はつきます。罰金だからといって甘く考えないことが大切です。

このように、盗撮事件において示談成立の成否はとても重要です。

2.盗撮の示談金の相場

盗撮事件では、被害者との示談の成否が事件の処分内容に関して大きな影響を持ちます。
つまり、被害者と示談することによって、不起訴になる可能性や、盗撮事件の刑事処罰が軽くなる可能性が高くなるということです。

示談交渉では、被疑者は被害者に対し示談金(精神的苦痛を与えたことによる慰謝料等)を支払うことになります。

盗撮の示談金額の相場は、一概には言えません。
というのも、示談交渉においてはあくまで「被害者が納得した金額」を支払うことになります。

被害者の被害感情が強かったり、犯行態様が悪質(盗撮した画像をネットで拡散したなど)であったり、被害に遭ったことによって支出(引っ越しを余儀なくされるなど)したりといった事情があれば、慰謝料の金額も高額になる傾向にあります。

これまでの泉総合法律事務所の経験では、盗撮事件は20万円~50万円で示談がまとまるケースが多いと感じられます。

【被害者が未成年の場合】
被害者が高校生などの未成年の場合、弁護士は親権者である両親と示談交渉をすることになります。
両親としては「娘を盗撮するなんて」と怒りが激しいのが通常ですので、弁護士が懇切丁寧に粘り強く示談をお願いしても、応じていただけないことが少なからずあります。両親に示談に応じていただける場合でも、成年の被害女性の盗撮の示談よりも示談金額が高額になる傾向があります。

3.示談交渉の流れ

では、盗撮の示談交渉はどのような流れで進むのでしょうか。

(1) 弁護士に示談交渉を依頼する

「被害者と示談をするならば、直接謝罪をした方が誠意が伝わるのでは?」と思う方もいらっしゃるでしょう。

盗撮事件の加害者は、基本的に被害者と面識がありません。示談交渉を行うためには、捜査機関を通じ相手方の連絡先を確認する必要があります。

しかし、被害者の連絡先が加害者本人に開示されることは、被害者保護の観点から行われません。
ということは、加害者本人は被疑者と示談交渉ができないということになります。

被害者の連絡先は、被疑者(加害者)が刑事弁護を依頼した弁護士限りで、被害者が同意を示した場合のみ開示されることが通常です。
したがって、そもそも盗撮事件において被害者と示談交渉を開始するためには、弁護士に刑事弁護を依頼することが不可欠です。

捜査機関(警察、検察)を通じて被害者の連絡先を得た弁護士は、そこから被害者に連絡して示談交渉を行うことになります。

弁護士は、示談金額やその他の和解の条件について被害者と話し合い、適宜被疑者に報告を行いながら示談交渉を成立させます。

(2) 示談書を作成して検察官に提出

代理人弁護士と被害者との間で示談内容について合意ができたら、示談交渉の最後に「示談書」を作成します。

示談書では、まず、「被害者への損害賠償を既に行った」ということを証明するためにも、「これで支払は終了した」という内容の条項を盛り込みます。これを「清算条項」といいます。
清算条項を記載することによって、被疑者にとっては処分について有利な事情になるだけでなく、被害者から示談後に追加の損害賠償請求をされることを防げます。

また、示談書に「宥恕文言」を記載してもらうことができれば、「被害者に盗撮事件について許してもらい、被疑者の刑事処罰を望まないとの意思表示」を含む内容の合意が成立したことが示されます。
宥恕(ゆうじょ)とは「許す」の意味で、「宥恕文言」は「寛大な処分を求めます」「処罰は望みません」などの記載です。

このような内容の示談書を検察官に提出すれば、検察官はこれを被疑者に有利な事情として考慮します。

もっとも、前科・前歴の有無や盗撮の態様なども、検察官の処分・裁判所の判決に影響を与えますので、一概に「示談すれば必ず不起訴になる」とは言えません。
しかし、迷惑防止条例違反の盗撮のケースで、被疑者に前科・前歴などがなければ、盗撮の被害者と示談ができた場合、通常は不起訴処分となります。不起訴処分となれば、罰金・前科はつきません。

盗撮事件の示談交渉の流れと弁護士に依頼するメリット

[参考記事]

盗撮事件の示談交渉の流れと弁護士に依頼するメリット

4.盗撮の示談でお困りなら弁護士へ相談を

ここまでお話してきたことは、盗撮事件の示談金・示談交渉についての一般論です。
個々のケースでは、それぞれのケースに合わせた適切な対応が必要になってきます。

泉総合法律事務所の弁護士、泉義孝は、不起訴・より軽い刑事処分を目指して盗撮事案に全力で取り組んでおり、性犯罪事件について示談成立・不起訴とした実績が多くあります。

示談交渉や高額な示談金の提示でお悩みの方、盗撮事件で逮捕されてしまったという方、又はその家族の方々は、刑事弁護経験豊富な泉総合法律事務所へぜひご相談・ご依頼ください。

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