痴漢・不同意わいせつ [公開日]2020年6月16日[更新日]2025年4月1日

痴漢で不同意わいせつ罪に問われた場合はどうすればいい?

痴漢で不同意わいせつ罪に問われた場合はどうすればいい?

電車やバスなどで痴漢をして検挙されると、不同意わいせつ罪に問われることがあります。

不同意わいせつ罪は、相手の同意なく(不同意で)わいせつな行為をした場合に成立します。
痴漢の様態が悪質であると判断されれば、不同意わいせつ罪で刑罰を受ける可能性があります。

本記事では、痴漢で不同意わいせつ罪に問われた場合にはどうすれば良いのか、前科を避けるためにするべきことを解説します。

1.不同意わいせつ罪とは?

まずは、不同意わいせつ罪の内容について解説します。

刑法第176条 不同意わいせつ罪
次に掲げる行為又は事由その他これらに類する行為又は事由により、同意しない意思を形成し、表明し若しくは全うすることが困難な状態にさせ又はその状態にあることに乗じて、わいせつな行為をした者は、婚姻関係の有無にかかわらず、六月以上十年以下の拘禁刑に処する。
一 暴行若しくは脅迫を用いること又はそれらを受けたこと。
二 心身の障害を生じさせること又はそれがあること。
三 アルコール若しくは薬物を摂取させること又はそれらの影響があること。
四 睡眠その他の意識が明瞭でない状態にさせること又はその状態にあること。
五 同意しない意思を形成し、表明し又は全うするいとまがないこと。
六 予想と異なる事態に直面させて恐怖させ、若しくは驚愕させること又はその事態に直面して恐怖し、若しくは驚愕していること。
七 虐待に起因する心理的反応を生じさせること又はそれがあること。
八 経済的又は社会的関係上の地位に基づく影響力によって受ける不利益を憂慮させること又はそれを憂慮していること。
2 行為がわいせつなものではないとの誤信をさせ、若しくは行為をする者について人違いをさせ、又はそれらの誤信若しくは人違いをしていることに乗じて、わいせつな行為をした者も、前項と同様とする。
3 十六歳未満の者に対し、わいせつな行為をした者(当該十六歳未満の者が十三歳以上である場合については、その者が生まれた日より五年以上前の日に生まれた者に限る。)も、第一項と同様とする。

上記の条文を読んでみると、必ずしも殴る蹴るなどの行為や言葉での脅迫が行われなくとも、不同意わいせつ罪は成立するということがわかります。
そして、痴漢など被害者の身体に触る行為は、それ自体が「暴行」に該当すると理解されています。

また、不同意わいせつ罪における「わいせつな行為」とは、「被害者の性的感情を害し、被害者に恥ずかしいと思わせるような行為」です。行為態様は様々ですが、例えば以下のような痴漢の例は「わいせつな行為」に当てはまります。

  • 混雑した電車の中で相手の身体(胸・太腿・お尻など)に触れる
  • 下着の中に手を入れた、あるいは下着の中の陰部を直接触った
  • 混雑した電車の中で、自身の身体や股間を相手に押し付けた
  • 相手に自身の性器を触らせた
  • 衣服を脱がせた

被害者は女性に限られませんので、男性に対して行うわいせつな行為も不同意わいせつ罪となり得ます。

なお、電車内等での痴漢行為は、各都道府県が定める迷惑行為防止条例違反にも該当します。

迷惑防止条例違反行為と不同意わいせつ行為の違いは、一般的に、犯行の態様から見て「着衣の上から撫でるなどの行為が迷惑防止条例違反」、「被害者の意思に反して、着衣の中に手を差し入れて人の体に触る行為が不同意わいせつ行為」であると考えられています。
しかし、最近では性犯罪の厳罰化や刑法改正により、着衣の上からの痴漢についても不同意わいせつ罪に問われることがあります。

2.不同意わいせつの痴漢の刑罰

痴漢行為の具体的な刑罰内容は次のとおりです(2025年4月現在)。
不同意わいせつ罪では、罰金刑の設定はありません。執行猶予がつく可能性はありますが、起訴されれば拘禁刑がほとんど確定すると言えます。

罪名 都道府県 通常 常習
不同意わいせつ罪 6ヶ月以上10年以下の懲役
迷惑防止条例違反 東京都 6月以下の懲役または50万円以下の罰金 1年以下の懲役または100万円以下の罰金
千葉県
埼玉県
神奈川県 1年以下の懲役または100万円以下の罰金 2年以下の懲役または100万円以下の罰金

不同意わいせつ罪は、2017年7月に刑法が改正されてから、親告罪ではなくなりました。よって、示談が成立しても不起訴になるとは限りません。
特に、前科があったり、犯行態様が悪質だったり、否認を続けたりすれば、示談が成立しても検察官の判断で起訴されることがあります。

しかし、必ず起訴されるというわけでもありません。弁護活動により被害者との示談が成立すれば、不起訴になったり執行猶予判決を得られたりする可能性は十分にあります。

それだけに、不同意わいせつの痴漢を犯してしまった場合、刑事弁護経験豊富な弁護士に刑事弁護を依頼されることを強くお勧めします。

痴漢は何罪になる?刑罰と逮捕後の流れを解説

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3.不同意わいせつの痴漢で逮捕された場合の対応

(1) 被害者と示談交渉をする

痴漢の処分(起訴・不起訴)に最も影響を与えるのが、被害者との示談です。
示談金の支払と示談書の内容によって、①被疑者側が反省し被害の回復に努力したこと、②被害が金銭的に補償されたこと、③被害者の処罰感情、被害感情が無くなったことが明らかとなるため、被疑者に有利な事情として考慮され、検察官の判断を不起訴に傾けることになるのです。

痴漢で逮捕された人に有利となる結果を導くには、いかに早期に事件に対応し、示談を成立させることができるかにかかっているのです。

しかし、不同意わいせつの痴漢は罪状が重く、検挙されたらそのまま逮捕(身体拘束)されてしまうケースも多いです。
こうなると、被疑者が自力で示談交渉をすることはできません。

そうでなくとも、被疑者本人や家族が示談のための交渉を開始したいと言っても、捜査機関が被害者の連絡先を教えることはありません。
仮に被害者の連絡先を知っていたとしても、被疑者本人が接触するのは証人威迫が疑われる可能性があります。特に、不同意わいせつ罪の被害者は、被疑者に強い恐怖心と嫌悪感を抱いています。

そこで、弁護士の出番です。
弁護士ならば、「加害者(被疑者)に連絡先を教えないこと」を条件に、捜査機関を通じて被害者からその連絡先を教えてもらえる可能性があります。これにより、初めて被害者との示談交渉が可能となるのです。

また、示談交渉では被害者といえども著しく過大な慰謝料を請求してくるケースがあります。
このようなケースでも、経験と知識を備えた弁護士であれば、類似の事案における示談金の相場を把握していますから、不当な要求をはね除けると同時に、被疑者の提示額が適正な金額であることを説明し、これを受け入れてくれるよう説得することが期待できます。

更に、弁護士は法律的に不備のない示談書を作成することができます。
示談書は、示談が成立したことを証明する重要な書類です。示談成立を良い情状とするならば、不備のない示談書を作成し検察官に提出する必要があります。

このように、弁護士へ依頼した場合、被害者との示談交渉の開始から示談書の作成まで、全て弁護士が対応してくれます。

(2) 早期釈放を目指した弁護活動を行う

被疑者や被告人が逮捕・勾留され、留置場で身体を拘束され続けた場合、さまざまなデメリットが生じます。

まず、長期の無断欠勤(欠席)が続くことで解雇・退学されるおそれがあります。また、日常生活から隔離されてしまい、家族や友人とも会えず、日々の行動を厳しく管理されることで精神的に追い込まれることでしょう。結果、事実と異なる自白をしてしまう可能性もあります。

また、逮捕・勾留されている事案であると、起訴・不起訴の決定までには期間制限があることになります。つまり、不起訴処分を勝ちとるためのタイムリミットはすぐに来てしまうのです。

弁護士は、身体を拘束されてしまったご家族(被疑者・被告人)が一日も早く解放されて日常生活を取り戻せるよう、全力で釈放に向けての弁護活動を行います。弁護士によりスムーズに示談が進行すれば、不起訴の判断が早まる(早期に釈放される)ことも珍しくありません。

もちろん、不起訴決定の前段階から、「勾留」の阻止、勾留後の「準抗告」、勾留の取消請求などを行います。
早期釈放を目指すならば、どうぞ弁護士にご依頼ください。

→ご相談内容「釈放・保釈してほしい

4.強制わいせつ罪の示談交渉は弁護士にご依頼を

不同意わいせつの痴漢で逮捕されたら、自身の行いを反省し、被害者に誠意をもって謝罪するとともに示談交渉を行う必要があります。
示談により被害者が処罰を希望しなくなれば、身柄拘束を継続する必要性は大きく失われるため、釈放の可能性や不起訴処分を獲得できる可能性が高くなります。

また、万が一起訴されて有罪判決が出た場合でも、(前科は付いてしまうものの)示談成立は良い情状として量刑に影響を与え、執行猶予付きの判決や、刑期が短くなるなど、処分が軽くなる可能性があります。

痴漢、不同意わいせつで逮捕されてしまった被疑者ご本人や家族の方は、どうぞ泉総合法律事務所へご相談ください。
刑事弁護経験豊富な弁護士・泉義孝が、不起訴獲得に向けて徹底サポートいたします。

痴漢の刑事弁護は泉総合法律事務所、弁護士泉義孝まで

痴漢など絶対にしないと思っていても、ふと魔が差して痴漢をしてしまった、ということは誰にでもあり得ることです。迷惑防止条例違反の行為といえども、逮捕・起訴される可能性がありますし、処分が罰金であっても前科となります。

最終処分を不起訴など有利に導くためには、刑事弁護の経験豊富な弁護士に弁護依頼をしてください。

泉総合法律事務所の弁護士、泉義孝は、刑事事件、中でも痴漢の弁護経験につきましては大変豊富であり、勾留阻止・釈放の実績も豊富にあります。

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