ひき逃げをして重傷→実刑が確実視された事案で示談・執行猶予判決

[事例 532] 交通事故 ひき逃げ
性別 男性 相談に至った
経緯
・家族が逮捕された
・執行猶予にしてほしい
年齢 30代
職業 無職
罪名 ひき逃げ
弁護活動の結果 執行猶予

背景

横断歩道を歩いている被害者を赤信号無視して人身事故を起こし、そのまま逃走したひき逃げ事件です。

数ヶ月後に防犯カメラ画像の解析などによる警察の科学捜査で被疑者が特定され令状逮捕され、家族から弁護士泉義孝に弁護依頼があった事件でした。

弁護士対応 - 早急に示談交渉を開始

逮捕当日、離れて住む家族からの刑事弁護依頼があり、直ちに接見しました。被疑者本人からの事情聴取から事故状況などは分かりましたが、被害者の負傷の程度は重症としかわかりませんでした。

示談しなければ実刑が確実視されましたので、示談金をめぐる駆け引きは被害者の方の心象を悪くし示談不成立に繋がると判断して、(示談金を負担する家族との話し合いをして)一回の示談交渉で示談を成立させるべく十分な示談金を用意することにしました。
警察を通して被害者の方の連絡先を開示してもらい、1回で示談を成立させるため示談書を事前に作成して示談交渉に臨みました。

1時間ほど示談交渉した結果、被害者の方が数か月間入院した重傷を負ったこと、それにより仕事に多大な支障が生じたことなどが分かりました。
しかし、初回の交渉で示談していただくことになり、示談金をその場でお渡しして示談成立となりました。

その後被疑者は起訴されましたが、保釈請求については、当時定職がなく独身であったことや実刑事案であったことから保釈されないで身柄拘束を受けた方が判決に有利に働くと考えて、被告人本人に意向確認して保釈請求はあえて行いませんでした。

結果 - 執行猶予付き有罪判決

検察官の証拠開示(公判前に検察官が証拠請求する書類証拠を弁護人に開示するものです)で、検察官が被害者から電話で聞き取った書類(電話録取書)には、示談は強制されたものとの主張があり、検察官は公判にて被害者の証人請求をしてきました。

しかし、示談が被害者本人の真意に基づくことをきちんと反論、反証して裁判所は検察官の証人請求を却下し、判決において示談は有効に成立していると認定、執行猶予付き有罪判決を下しました。

弁護士からのコメント

示談が成立しても、裁判所の判決までは安心できないことを実感した事件でした。
示談交渉を必要とする刑事事件でお困りの方は、是非とも示談交渉の場数を踏んでいる泉総合法律事務所、弁護士泉義孝にご相談・ご依頼ください。