警察署 [公開日]2025年8月27日

愛宕警察署に逮捕された!面会、接見・差し入れする方法

愛宕警察署に逮捕された!面会、接見・差し入れする方法

家族や知人が愛宕警察署(あたごけいさつしょ)に逮捕された場合にできる「面会」や「差し入れ」には、厳格なルールがあります。

たとえば、家族は勾留決定後から面会が可能となりますが、面会は平日昼間に限られ、警察官の立ち会いのもと10~20分程度しか話すことができません。
また、差し入れの内容にも厳しい制約がありますので、事前知識がなければせっかく準備した差し入れも渡せない可能性があります。

本コラムでは、愛宕警察署での面会手続き、差し入れ可能な物品、弁護士による接見の重要性などについて詳しく解説します。

1.愛宕警察署で逮捕〜勾留までの流れ

警察署で逮捕〜勾留までの流れ

愛宕警察署に逮捕された場合の手続きの流れを、時系列で簡潔に解説します。

(1) 逮捕直後(0〜48時間)

逮捕後、被疑者は愛宕警察署の留置場に収容され、警察官による取り調べが行われます。そして、逮捕から48時間以内に検察庁へ事件が送致(送検)されます。

この間、家族の面会は原則として認められません。

(2) 検察官送致後(48〜72時間)

被疑者は検察庁に移送され、検察官の取り調べを受けます。
検察官は身柄を受け取ってから24時間以内、かつ逮捕時から72時間以内に裁判官に勾留請求するか、あるいは釈放するかを判断します。

(3) 勾留決定後

検察官が勾留請求し、裁判官がこれを認めると勾留が決定されます。

勾留は、逮捕に続く長期の身体拘束と解して問題ありません。
勾留期間は原則10日間で、必要に応じて最大10日間延長可能です。

勾留決定により、家族の面会が可能となります。

2.愛宕警察署での面会・接見

(1) 愛宕警察署での一般面会

愛宕警察署に家族や知人が逮捕された場合の一般面会には、厳格なルールが設けられています。

まず、逮捕直後の被疑者とは面会することができませんが、勾留が決まると一般面会も可能になります。
つまり、逮捕から72時間以内は原則として家族であっても面会は認められず、検察官による勾留請求が認められて初めて一般面会が可能となるのです。

面会可能な時間帯については平日の日中(午前9時頃〜午後4時頃まで)のみとされており、昼食の時間帯(正午〜午後1時頃)は面会できません。
面会時間の制限も厳しく、家族が面会可能な時間はだいたい15分程度に限定されます。この時間を超過すると警察官によって面会が中断されてしまいます。

また、1回に面会できる人数にも制限があり、一般的には3人までとなっており、大人数が同時に面会することはできません。

さらに、1日に面会できるのは被疑者1名に対して1組までです。例えば、午前中に友人が面会していたら、その日の午後に家族が愛宕警察署へ赴いても面会ができません。

面会の際の手続きとしては、面会予定日当日には必ず事前に愛宕警察署に電話して、面会可能かどうか確認してから面会に行きましょう。
これは、被疑者が取り調べや実況見分などで警察署を不在にしている可能性があるためです。事前の確認なしに愛宕警察署を訪れても、被疑者不在で面会できない場合があります。

面会は警察官立会いのもとで行われ、会話の内容は監視されます。そのため、事件に関する詳細な話や証拠隠滅につながるような内容は避ける必要があります。

愛宕警察署の電話番号:03-3437-0110

(2) 弁護士による接見

一方、弁護士による接見は、一般面会とは大きく異なるルールで運用されます。

最も重要な違いは、弁護士は逮捕直後から接見が可能という点です。つまり、家族が面会できない逮捕から72時間以内であっても、弁護士であれば被疑者と面会することができるのです。
これは憲法で保障された権利であり、捜査機関といえども制限することはできません。

また、弁護士の接見には時間制限がなく、必要な時間だけ接見することが可能です。接見の回数についても制限はなく、弁護方針を検討するために何度でも被疑者と面会することができます。
愛宕警察署においても、緊急性がある場合には夜間や休日でも弁護士の接見を受け付けています。

さらに重要な点として、弁護士の接見には警察官の立ち会いがありません。被疑者と弁護士は、第三者に聞かれることなく自由に会話することができます。
取り調べに関するアドバイスや今後の方針について、率直に話し合うことが可能なのです。

仮に接見禁止処分が下された場合でも、弁護士の接見は制限されません。家族の面会が一切認められない状況であっても弁護士は被疑者と接見することができ、外部との唯一の連絡手段となりえます。

このような理由から、逮捕直後に弁護士に依頼することの重要性は計り知れません。

3.愛宕警察署に逮捕された方への差し入れ

愛宕警察署への差し入れは、警察署の留置管理課で申込用紙を記入し、職員に物品を渡して行います。平日のみ受付で、接見禁止処分が出ている場合は差し入れも制限されることがあります。

差し入れ可能な物品について詳しくは後述しますが、原則として衣服(ただしひも・フード・ジッパーなどの金具付きは不可)、現金、書籍、手紙などです。

差し入れの運用については警察署ごとに詳細が異なりますので、事前に愛宕警察署に電話で確認することをお勧めします。

【宅急便での差し入れの場合の宛先記載例】
〒105-0004 東京都港区新橋6丁目18番12号
愛宕警察署 “留置内” ○○○○(被留置者氏名)様

(1) 愛宕警察署に差し入れ可能な物品

以下の制限は愛宕警察署だけでなく、全国の警察署でほぼ共通して適用されているルールとお考えください。

衣類

衣類の差し入れは基本的に可能ですが、安全上の理由から多くの制限があります。

差し入れ可能な衣類には、下着、Tシャツ、スウェット(上着、ズボン)、靴下などです。衣類については各3枚までなどの枚数制限が設けられていることもあるので、事前に確認をしておくことがおすすめです。

一方で、差し入れができない衣類も多くあります。
まず、ひも付きの衣類やフード付きのパーカー・ジャンパー、伸縮素材のセーターなどは、自傷行為防止のため一切認められません。
ジッパーやファスナーなどの金具が付いている衣類も、部品が武器になる可能性があるため差し入れできません。

ハイソックスのように長い靴下類、ネクタイ、ベルドなども制限対象となります。

書籍・雑誌など

読書は留置期間中の精神的な支えともなりえるため、書籍の差し入れは広く認められています。文庫本、雑誌、漫画など、あらゆる書籍が差し入れ可能です。

ただし、1日あたり3冊〜5冊までという制限があり、一度に大量の本を差し入れることはできません。週刊誌のような薄い冊子であっても当然冊数制限に含まれます。

また、本の内容についても一定の審査が行われ、暴力的な内容や犯罪を助長するような書籍は受け入れられない場合があります。クロスワードパズルなどの書き込みが前提とされている書籍も差し入れ不可です。

書籍を差し入れる際は、本のカバーやしおり、中綴じに使われているひもやホチキスは事前に取り除く必要があります。

現金

現金は、留置者が必要な日用品を購入するために必要で、留置者に最も喜ばれる差し入れだと言われています。

現金は、購買において歯ブラシ、石鹸などの日用品や、弁当、お菓子などの食品の追加購入に使用できます。

現金の差し入れは回数制限や金額制限がある場合も多く、頻繁に現金を差し入れることはできません。多くの警察署では、1回につき3万円程度までの現金差し入れが可能となっています。
また、現金のみ差し入れ時間が警察署の会計課の職務時間(おおよそ9時〜17時)に限られます。

手紙

家族からの励ましの言葉は被留置者にとって大きな心の支えとなりますので、手紙の差し入れもお勧めできるものの一つです。
ただし、手紙の内容は検閲されるため、事件に関する具体的な内容は避ける必要があります。

接見禁止となっている場合、家族などからの手紙が差し入れできなくなることもあります。

一部の日用品

基本的な日用品の多くは留置場で支給されるか現金で購入することになりますが、一部の日用品は直接差し入れることができます。
眼鏡、メガネケース、コンタクトレンズ、手紙、封筒、切手は差し入れ可能な日用品の代表例です。

一方で、差し入れできない日用品も多数あります。これについては後述します。

(2) 愛宕警察署に差し入れできない物品

警察署の留置場では、安全管理や証拠隠滅防止の観点から、多くの物品が差し入れ禁止となっています。

食品類

身体の中に入るものは差し入れできませんので、食品類・飲料は全般が差し入れ不可です。
どうしても食品を渡したいと考えるならば、現金を差し入れ、自分で売店にてお弁当やお菓子を買ってもらうことになります。

留置所内では健康に配慮された食事が3食しっかり提供されますので、心配は不要です。

一部の日用品

皮膚に塗るものも差し入れできません。また、基本的な日用品や洗面用具は施設側で提供されるため、個人的な差し入れは認められていません。

例えば、サプリメント、医薬品、化粧品、歯磨き粉、シャンプー、リンス、整髪料などすべてが対象となり、コンタクトレンズの洗浄液等も差し入れすることはできません。必要な場合は留置場内で新品を購入できるものもあります。タオル、靴などは施設側から提供されます。

持病などで日常的に服用している薬がある場合でも、日常の服用薬は留置所内で医師の診察を受けて処方されます。

電子機器・通信機器

携帯電話、スマートフォン、パソコン、タブレット、ラジオ、音楽プレーヤー、充電器、電池類、ゲーム機などはすべて禁止です。
これは外部との不正な連絡や情報収集を防ぐためです。

危険物

金属製品やガラス製品は危険物として扱われ、持ち込みができません。
例えば、安全ピン、針、ハサミ、鍵類、タバコ、ライターなどが禁止されています。

これらの規制は警察署によって細部が異なる場合があり、「差し入れ可能かどうか?」の基準はかなり細かいです。
実際の運用については、愛宕留置場の係に確認する方が確実です。

4.愛宕警察署で逮捕され弁護士に依頼するメリット

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愛宕警察署で逮捕された場合に弁護士に依頼するメリットは大きいです。

まず、逮捕中は家族や知人が面会できないという制約がある中で、弁護士だけが自由に面会できる点です。
被疑者は、弁護士の早期の接見を通じ、適切な取り調べ対応や今後の手続きについて法的助言を受けられます。

また、弁護人が付くことによって早期の身柄解放を目指せます。
弁護士は勾留や身柄拘束の必要性がないことを裁判所に主張し、釈放に向けた活動を行います。

さらに、被害者がいる事件では、弁護士に依頼しなければ被害者との示談交渉はほぼ不可能です。捜査機関は原則として加害者本人やその家族には被害者の連絡先を教えてくれないため、弁護士が仲介して被害者の連絡先を教えてもらう必要があるのです。

被害者との示談成立によって早期釈放が実現したり、減軽不起訴処分を獲得できる可能性が高まったりします。

弁護士の適切な弁護活動により、刑事事件をいち早く終結させる弁護体制を構築し、前科の回避・刑事処分の軽減を目指せます。

弁護士・泉義孝は多くの警察署で事件を解決してきた実績がありますので、安心してご依頼ください。
泉が刑事弁護を担当した警察署

5.事例:二度目の公然わいせつで公判請求

Aさんは、公道に面した建物室内の窓際で公然わいせつ行為をして逮捕され、泉総合法律事務所に弁護士依頼がありました。
Aさんは公然わいせつの罰金前科1犯でした。

公然わいせつは社会の健全な風俗という社会的な利益を害する犯罪であり、被害者は「社会」です。よって、個人が被害者の犯罪のように示談すれば不起訴になる犯罪ではありません。
しかし、公然わいせつの場合は、目撃者との間で示談すれば(同種前科が1回までの場合)不起訴となることが多い事件です。

そこで、本件も目撃者との示談を目指して、愛宕警察署の生活安全課を通して目撃者の連絡先を聞こうとしました。
しかし、目撃者からは連絡先の開示(=示談)を拒絶されました。

略式起訴による罰金刑になる可能性がありましたが、本件は公判請求(通常裁判)となってしまいました。
そこで、執行猶予付き有罪判決で、できる限り減軽を望む形の弁護活動を行うことになりました。

最終的に、求刑6ヶ月のところ、裁判所は5ヶ月の懲役として執行猶予付きとする判決を出しました。

通常、執行猶予を判決でつける場合は検察官の求刑通りの刑とするのが通常であり、求刑した刑罰を短縮するのはあまりありません。
依頼者である被告人の意向に沿って弁護活動をした事案でした。

(※事例内容については、弁護士の守秘義務に則り、実際の事案と事実関係や登場人物を改変しております。実際の相談例ではございませんのでご了承ください。)

6.愛宕警察署の基本情報・アクセス

名称 愛宕警察署
住所 〒105-0004 東京都港区新橋6丁目18番12号
電話番号 03-3437-0110
アクセス 都営三田線「御成門駅」徒歩1分
都営大江戸線「大門駅」徒歩6分
取扱時間 午前8時30分〜午後4時30分まで
土曜、日曜、祝日、年末年始の取扱いはありません。

【管轄】

港区の内

  • 東新橋1丁目から2丁目
  • 新橋1丁目から6丁目
  • 西新橋1丁目から3丁目
  • 海岸1丁目
  • 浜松町1丁目から2丁目
  • 芝大門1丁目から2丁目
  • 芝公園1丁目から4丁目
  • 愛宕1丁目から2丁目
  • 虎ノ門1丁目
  • 虎ノ門2丁目(1番から2番、10番を除く)
  • 虎ノ門3丁目から5丁目

7.愛宕警察署に関するよくある質問(FAQ)

  • 愛宕警察署のアクセス方法は?

    愛宕警察署は東京都港区新橋6丁目に所在し、最寄り駅は都営三田線「御成門駅」から徒歩1分、都営大江戸線「大門駅」から徒歩6分でアクセス可能です。

  • 愛宕警察署での面会時間は?

    平日の9:00~16:00頃が受付時間です(*12:00~13:00は昼休みで不可)。
    面会できる時間は15分程度、被疑者一人に対し1日1組1回のみ(1組は3人まで)となっています。

    面会を希望する場合は、事前に警察署に連絡を取り、当日の混み具合や本人の状況を確認することがおすすめです。

    身分証明書(運転免許証、マイナンバーカードなど) と印鑑(シャチハタでないもの)が必要ですので、これを持参するようにしてください。

  • 逮捕直後でも面会できますか?

    家族や友人、親戚が面会できるのは、逮捕から約4日目以降(勾留が決定してから)です。勾留開始後は、接見禁止処分を受けてない場合のみ面会可能です。

    逮捕直後から勾留決定までは、弁護士のみが面会・接見できます。
    なお、接見禁止処分が出ている場合、弁護人以外は、たとえご家族であって面会ができません。

  • 弁護士面会の費用はいくらですか?

    愛宕警察署へ弁護士を出張させ接見・面会をしてもらう際には、弁護士費用が必要です。
    泉総合法律事務所では、接見日当は3.3万円(税込・1回)となっています。

    また、夜間や休日に突然逮捕されてしまったときなど、弁護士泉が警察署などで身柄を拘束されている被疑者・被告人の方に直接接見(面会)しに行く場合は、緊急接見費用として5.5万円(税込)をいただきます。

    ※交通費などの実費が別途かかります。接見時は最寄り駅から警察署などの往復は原則タクシー利用とし、タクシー料金を請求させていただきます。

  • 留置者に差し入れできる物品は?

    差し入れは平日の受付時間内に行えます。
    食品・飲料・薬品・化粧品類は一切差し入れ禁止です。

    衣類は下着類や靴下、上下のスウェットのみ差し入れ可能で、金属・ひも類・パーカーなどがないものに限定されます。
    書籍も差し入れ可能ですが、カバーやしおりは事前に取り外す必要があります。

    詳しくは、事前に留置管理課への電話確認をお勧めします。

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