万世橋警察署に逮捕された!面会、接見・差し入れする方法

「万世橋警察署(まんせいばしけいさつしょ)」という名称は聞き慣れないかもしれませんが、東京都千代田区にある、警視庁が管轄する警察署のひとつです(最寄り駅は各線秋葉原駅)。
万世橋警察署に家族が逮捕された場合、速やかに面会や差し入れの準備を進める必要があります。
しかし、警察署での面会・差し入れには厳格なルールがあり、事前の準備なしには逮捕・勾留中の被疑者に対して適切なサポートができません。
この記事では、万世橋警察署における面会・接見時の注意事項、差し入れ可能物品の詳細、そして刑事事件で弁護士を選任するメリットなど、実際に必要となる具体的な刑事手続きを解説します。
1.万世橋警察署で逮捕〜勾留までの流れ
万世橋警察署に逮捕された場合、まず、警察官が被疑者の取り調べを行います。そして、逮捕時点から48時間以内に被疑者の身柄と書類を検察官に送致(送検)します。
この48時間の間、被疑者は万世橋警察署の留置場に収容され、家族や友人等による面会はできません。
検察官は被疑者の身柄を受け取ってから24時間以内(逮捕時から通算72時間以内)に、裁判官への勾留請求をするか、被疑者を釈放するかを決定します。
勾留請求がなされると、裁判官が被疑者に対して勾留質問を行い、勾留の必要性と相当性を判断します。
勾留が認められた場合、原則として10日間の身体拘束が決定され、捜査の必要に応じてさらに最大10日間の延長が可能となります。
つまり、逮捕から最長で23日間にわたって身体拘束を受ける可能性があり、この期間内に検察官が起訴・不起訴の最終判断を行います。
起訴された場合は刑事裁判手続きに移行し、不起訴の場合は釈放されることになります。
2.万世橋警察署での面会・接見
万世橋警察署で逮捕された方との面会には、「一般面会」と「弁護士による接見」の2つの方法があります。
(1) 万世橋警察署での一般面会
一般面会は、勾留が決定して以降、接見禁止処分を受けてない場合のみ可能です。つまり、逮捕直後は一般面会できず、勾留決定後に初めて面会が認められます。
万世橋警察署の留置管理課(留置係)で面会申し込みを行います。当日に直接窓口で申請し、身分証明書の提示と押印を行った後、面会室で約15分間の面会となります。
混雑状況により面会時間が短縮されたり、面会自体ができなかったりする場合があります。
また、土日祝日は面会できないため、ご家族や友人は平日にスケジュールを調整する必要があります。
万世橋警察署の一般面会の制約(決まり)は以下の通りです。
- 平日の昼間(おおよそ9:00~16:00)のみとなっており、12:00~13:00昼食時間帯は受付業務が停止
- 面会時間は原則として15分程度
- 被疑者・被告人一人に対し、一日1組1回のみ(1組3人まで)
同日、先に面会が行われていますと、次の人は面会できません。
つまり、複数のグループが同日に面会を希望しても、最初に来た1組しか面会できないのです。
このような決まりがあることから、面会前には必ず万世橋警察署に電話をし、「本日面会は可能か」「本人が取り調べ等で不在でないか」を確認することが重要です。
万世橋警察署は秋葉原にありアクセスは比較的良好ですが、面会の制限は他の警察署と同様に厳格であるため、事前の確認・準備が不可欠と言えます。
万世橋警察署の電話番号:03-3257-0110
(2) 弁護士による接見
弁護士による接見は、憲法および刑事訴訟法により保障された権利で、一般面会とは全く異なる特別な対応が認められています。
まず、弁護士は逮捕された直後から接見でき、一般面会のように勾留決定を待つ必要はありません。弁護士から接見の申し入れがあると、取り調べなどの捜査活動は直ちに中断され、接見の時間が確保されます。
深夜・早朝、土日祝日を問わず24時間いつでも面会可能です。
さらに、1日に複数回、長時間の接見が可能で、必要に応じて何度でも相談できます。
警察官の立ち会いは一切なく、会話内容は完全に秘密が保持されます。録音・録画もされません。
裁判所により接見禁止処分が決定され、一般面会が全面禁止されても、弁護士との接見は制限されないのも特徴です。
弁護士の接見は、被疑者の権利保護において極めて重要な制度です。逮捕直後の不安な状況でも、以下のような専門的な助言を受けられる貴重な機会となります。
- 事件の見通し・取り調べ対応の指導
- 黙秘権についてのアドバイス
- 家族への状況報告・連絡調整
- 差し入れ物品の手配
- 早期釈放に向けた活動
3.万世橋警察署に逮捕された方への差し入れ
万世橋警察署で逮捕・勾留された方への差し入れには厳しい規制・制約があります。
例えば、全ての食品・多くの日用品は差し入れ禁止で、衣類や本についても細かな制限が設けられています。
適切に差し入れを行うには、許可物品の種類、申請手続きのやり方、受付時間などを正確に理解することが必要です。
以下で、差し入れの具体的なルールと注意点について詳しく説明します。
【宅急便での差し入れの場合の宛先記載例】
〒101-8623 東京都千代田区外神田1丁目16番5号
万世橋警察署 “留置内” ○○○○(被留置者氏名)様
(1) 万世橋警察署に差し入れ可能な物品
差し入れは、警察署の「留置管理課」に行き、所定の申込用紙を記載して、差し入れしたい物品等を留置管理課の職員に渡して行います。
差し入れ受付時間は平日の日中に限られます。
差し入れた物については、警察官が被疑者や被告人に渡して問題ないかチェックします。
差し入れ可能な物品は警察署により細かな違いがあるため、万世橋警察署の具体的なルールについては、事前に留置管理課にお問い合わせいただくことが最も確実です。
衣類
スウェット、ジャージなどの上下、Tシャツ、長袖シャツ、下着類、短い靴下
衣服では、ひも付きの物、フード付きパーカー、ハイソックス等は差し入れできません。パーカーやズボン類のひもは抜いておく必要があります。
また、セーターなど伸縮性素材の衣類や、金具・ベルトがついている衣服も差し入れできないので、スエットやジャージの上下などがベターです。
ジーンズ、ジャンパー、セーター、ジッパー付きの衣類、ノースリーブ、フード付き衣類、靴は差し入れできません。
書籍・雑誌
一般書籍(小説、実用書など)、雑誌、漫画
書籍は広く差し入れ可能ですが、「1回3冊まで」等と制限されます。
また、書き込みが前提とされているクロスワード、問題集等は差し入れできないことがあります。
さらに、ホチキスでとじられているものは禁止されているので注意しましょう。
本についているカバーやしおりは差し入れできませんので、事前に外しておいてください。
現金
警察署によっては「1回につき3万円まで」等と制限されるところもあります。
さらに、現金のみ差し入れ時間が警察署の会計課の職務時間(おおよそ9時〜17時)に限られます。
現金は留置場内での必需品購入に使用できます。お菓子、弁当、新聞などを購入できますので、差し入れとしてはかなり喜ばれるものです。
手紙・写真
接見禁止中でない限り、手紙も基本的に差し入れできます。ただし、事件のことが書いてあるなど、捜査・裁判に不当な影響を及ぼす手紙は、当局の判断により差し入れできません。手紙の内容は担当官が確認します。
また、手紙に写真を同封することにより、写真の差し入れも可能です。
その他の許可物品
メガネ(老眼鏡を含む)、コンタクトレンズ、便箋・封筒・切手などが差し入れ可能です。
(2) 万世橋警察署に差し入れできない物品
以下の物品は安全管理、証拠保全、健康管理の観点から厳格に規制されており、持参しても受け取ってもらえません。
差し入れを行う前には、必ず万世橋警察署の留置管理課に電話で最新の規則を確認しましょう。
飲食物全般
安全管理と衛生上の観点から、あらゆる飲食物の差し入れが禁止されています。
弁当も、お菓子、インスタント食品はもちろん、ペットボトル、缶ジュースなどの飲料も差し入れできません。
一部の日用品・衛生用品
留置場内で支給される物品については、外部からの差し入れが原則禁止されます。
タオル類、石鹸、シャンプー・リンス、歯磨き用品、ティッシュ、カミソリ、爪切り、化粧品類、ヘアブラシ、マスク、絆創膏などは差し入れできないと考えましょう。
医薬品・健康関連用品
健康管理は留置場の医師により行われるため、医薬品の持ち込みは厳格に禁止されています。
処方薬(持病治療薬を含む)、市販薬(風邪薬、胃腸薬、頭痛薬等)、サプリメント、ビタミン剤、目薬、軟膏類は差し入れできません。
日常の服用薬は医師の診察を受けて処方されます。
危険物・安全上問題となる物品
留置場の安全確保と自殺防止の観点から、以下のような危険性のある物品は厳格に禁止されています。
- 刃物全般(ナイフ、カッター、ハサミ等)
- 工具類、ガラス製品、金属製の尖った物品
- ライター、マッチなどの発火器具
- ロープ、ひも類(靴ひも、ベルトを含む)
- プラスチック袋、ビニール袋
- 伸縮性の高い素材のもの
その他の禁止物品
- 電子機器・通信機器:スマートフォン、携帯電話、タブレット、ゲーム機、時計など
- 記録媒体:USB、SDカードなど
- 嗜好品:タバコ、電子タバコ、アルコール類
- 娯楽用品:書き込み式パズル、トランプ、ゲーム用品
4.万世橋警察署で逮捕され弁護士に依頼するメリット
万世橋警察署に家族が逮捕された場合、弁護士に依頼することで以下のような重要なメリットがあります。
- 逮捕直後から即座の接見・相談が可能
- 警察官の立会いなし、時間・回数・曜日の制限なしで面会ができる
- 接見禁止処分時でも面会が可能
- 適切な取り調べ対応についてアドバイスができる
- 供述調書作成時の注意点を説明できる
- 早期釈放に向けた活動をしてくれる
- 勾留請求に対する意見書を作成・提出する
- 被害者との示談交渉を代理できる
- 家族への伝言・状況説明ができる
- 事件の見通しと最適な弁護方針が分かる
特に、これまで多くの刑事事件を担当してきた弁護士ならば、それぞれの事件についての専門的な法的知識を有しています。
被疑者とその家族の権利を最大限に守り、最善の結果を目指すことができるのです。
弁護士・泉義孝は多くの警察署で事件を解決してきた実績がありますので、安心してご依頼ください。
→泉が刑事弁護を担当した警察署
5.事例:イベントで意気投合してホテルで不同意わいせつ
ある行事(イベント)で何度か一緒になった相手方女性と意気投合して居酒屋で飲食しその後ホテルに入りわいせつ行為に及んでしまったという事案です。
女性が被害届を出し、警察から呼び出しの電話を受けて弁護士泉義孝に弁護依頼がありました。
逮捕されてしまったAさんは、女性の同意を得てわいせつ行為に及んだとの認識でしたが、諸事情を慎重に考慮した結果、起訴の可能性は否定できないと判断できました。
弁護士は、Aさんと繰り返し打ち合わせを持ち、弁護士の意見(否認して争った場合の見込みや可能性、示談した場合のメリット・デメリットなど)を伝え、徹底して争うか、示談して不起訴を狙うかAさん本人に判断してもらうことにしました。
弁護士の考えを一方的に押し付けるのではなく、弁護士から先行きの見通しを可能性の程度も含めて被疑者に的確に伝えて判断をしてもらうのが弁護士の役目と考えております。
最終的には、家族もいることから手堅い形での解決を求めることになり、被害者と示談して不起訴処分を勝ち取りました。
(※事例内容については、弁護士の守秘義務に則り、実際の事案と事実関係や登場人物を改変しております。実際の相談例ではございませんのでご了承ください。)
6.万世橋警察署の基本情報・アクセス
名称 | 万世橋警察署 |
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住所 | 〒101-8623 東京都千代田区外神田1丁目16番5号 |
電話番号 | 03-3257-0110 |
アクセス | JR京浜東北線「秋葉原駅」徒歩3分 都営新宿線「岩本町駅」徒歩4分 東京メトロ丸ノ内線「淡路町駅」徒歩6分 |
取扱時間 | 午前8時30分〜午後4時30分まで 土曜、日曜、祝日、年末年始の取扱いはありません。 |
【管轄】
千代田区の内
- 神田須田町1丁目から2丁目
- 内神田3丁目(1番から6番、8番から11番、15番から16番、24番を除く)
- 鍛冶町1丁目から2丁目
- 神田鍛冶町3丁目
- 神田北乗物町
- 神田紺屋町
- 神田富山町
- 神田東松下町
- 神田西福田町
- 神田美倉町
- 神田岩本町
- 岩本町1丁目から3丁目
- 外神田1丁目から6丁目
- 神田相生町
- 神田松永町
- 神田和泉町
- 神田平河町
- 神田花岡町
- 神田佐久間町1丁目から4丁目
- 神田佐久間河岸
- 東神田1丁目から3丁目
- 神田練塀町
- 神田東紺屋町
7.万世橋警察署に関するよくある質問(FAQ)
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万世橋警察署での面会申し込みはどこで行えばいい?
万世橋警察署の留置管理課(留置係)で面会申し込みを行います。当日直接窓口で申請し、身分証明書の提示と押印が必要です。
その日既に別の誰かが面会をしている可能性や、被疑者が取り調べなどで留守にしている可能性を考え、面会前には必ず電話で本人が面会可能な状態かどうかを確認してから来署することをお勧めします。
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万世橋警察署では、弁護士はいつでも来てくれますか?
はい、弁護士は逮捕直後から24時間いつでも接見可能で、取り調べ中であっても弁護士の接見要求があれば取り調べは中断されます。
平日・土日祝日を問わず、深夜・早朝でも接見できるのが弁護士接見の特徴です。なお、弁護士による接見では警察官の立ち会いもありません。
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万世橋警察署での差し入れで、薬や食べ物は渡せませんか?
処方薬を含む医薬品と食品は一切差し入れできません。持病の薬が必要な場合は、留置場の医師による診察を受けて処方してもらう必要があります。
健康上の心配がある場合は、弁護士を通じて適切な医療を受けられるよう申し入れができますのでご安心ください。
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万世橋警察署へのアクセス方法は?
万世橋警察署の最寄り駅を所要時間は以下の通りです。
- JR京浜東北線「秋葉原駅」徒歩3分
- 都営新宿線「岩本町駅」徒歩4分
- 東京メトロ丸ノ内線「淡路町駅」徒歩6分