前科・犯罪歴の調べ方は?家族・他人に知られたくない!

刑事事件を犯してしまい、検察官に起訴され有罪判決が確定した場合、その刑事被告人には「前科」がつくことになります。
身体的拘束が伴う拘禁刑のみならず、たとえ罰金刑や執行猶予付き判決であったとしても「前科」に含まれます。
前科が付くと、生活に様々な影響が現れます。
では、前科は第三者が調べることができるのでしょうか。また、一般の方が犯罪歴や逮捕歴を確認する方法はあるのでしょうか。
1.前科とは?
「前科」というのは、上記したように、刑事裁判で有罪判決を受けた場合を意味します。
刑の執行を受け終わった者は、他の者と差別されないことを原則とします。
しかし、職務質問をされたり逮捕されたりすると、警視庁や県警本部の犯歴照会センターに前科・前歴の確認が行われます。そして、再度何かしらの事件を起してしまった場合、前科を理由として処分や判決が重くなる可能性があります。
また、公的な資格の場合、前科がついてしまうことで所持している資格が停止あるいは剥奪されてしまうことがありますし、前科者の入国が認められない国もあります。例えば、知り合いが海外で結婚式を挙げようとしたところ、前科を理由に入国を拒否されるということが起こり得るのです。

[参考記事]
前科があると就職に影響するのか?
2.前科の調べ方
結論から言えば、前科を一般人が調べることはできません。
前科はあくまで、何らかの犯罪が発生してしまった場合に捜査資料として使用したり、被疑者の犯罪傾向や反省の程度を判断したりするための資料です。
このため、警察・検察のほか、本籍地の市区町村においては、データとしては保管されてはいるものの、本人であっても開示できないデータです。ましてや第三者からの開示請求に応じるものでもありません。
言ってみれば、前科は最上級の個人情報(秘匿情報)として管理されているわけです。
よって、「誰かに前科について調べられてバレてしまうのではないか」という心配はいりません。第三者が前科者であることの証明を取り寄せたり、前科についてのデータを照会したりすることはできません。
【就職の際に前科を企業側に知らせる必要はあるか】
前科がある方がこれから就職や転職をする場合、「企業側が自分の前科を調べていた」という事態はないのでご安心ください。面接時に特に犯罪歴の有無を聞かれない場合には、自ら進んで過去の犯罪歴を申告する必要もありません。また、履歴書には「賞罰」という欄が設けられていなければ、これを記載する必要もありません。
しかし、履歴書に賞罰欄を設けている履歴書を指定された場合には犯罪歴を記載すべきですし、採用の面接時に過去の犯罪歴を聞かれた場合には正直に申告しなければなりません黙っていた場合、これが後日判明すると経歴詐称となり解雇事由になる可能性があります。
3.前科を避ける方法
このように、前科や前歴(犯罪歴・逮捕歴)が誰かに調べられたり、ネット検索されたりすることはありません。
しかし、先述の通り前科があることで一部の職種への就職が困難になったり、一部の外国に入国できなかったりするケースがあります。
また、将来的に犯罪を繰り返してしまった際には、前科があることで、その処分がより厳しいものになります(不起訴にならない・執行猶予がつかないなど)。
よって、被疑者としてはできる限り前科は避けるべきと言えます。
では、前科を避けるにはどうしたら良いのでしょうか。
逮捕・勾留されている段階であれば、被疑者に前科はつきません。
前科がつくのは、検察官に起訴されて有罪判決(罰金刑・拘禁刑など)が科せられたケースです。
すなわち、「①検察官が当該被疑者を不起訴処分に処した場合」あるいは「②刑事裁判手続において無罪判決を勝ち取った場合」については前科が付かない、ということになります。
実際に刑罰相当の犯罪を犯してしまっている場合(冤罪ではない場合)は、①の不起訴処分を目指すことになります。
そのために重要になってくるのは、被害者との示談です。検察官は、刑事事件の被疑者について起訴・不起訴の判断をする際に、被害者感情・被害回復を非常に重視するからです。
示談とはすなわち「被害者との和解」を意味します。この和解の締結(示談書の締結)を目指して、弁護人が弁護活動していくことになります。
というのも、被疑者自らが示談交渉しようとしても、通常、被害者の連絡先は分からず、連絡がとれても被害者は交渉に応じないものです。その意味でも、弁護士に刑事弁護を依頼して、代理で示談交渉に当たってもらうべきです。

[参考記事]
弁護士なしでの示談はリスク大!示談交渉を弁護士に依頼すべき理由
示談交渉では、被疑者の謝罪の受け入れてもらい、示談金(解決金)の支払いを行い、示談書を作成した上で被害届や刑事告訴の取り下げを求めることになります(※被害者に発生している被害の程度によって示談金の相場は異なります)。
また、被害感情が強く、なかなか示談に応じてくれない被害者の方もいらっしゃいます。
いかに被疑者にとって不利にならない条件で示談を成立させるか、被害感情が強い被害者に対してどのように歩み寄って交渉を進めていくかが、弁護士の腕の見せ所ということになります。
そういった意味で、刑事弁護に強い、あるいは刑事弁護の経験が豊富な弁護士を選んで弁護依頼をするべきです。
なお、これが覚せい剤事件のように被害者が存在しない事件であれば、弁護人は反省文の提出や贖罪寄付といった刑事弁護活動を行います。
4.前科を避けるなら泉総合法律事務所へ
前科は他人に知られることはないにしても、将来的に様々な面で不利に働いてしまうことがあります。
前科がつくことを避けるためには、早期の弁護人の弁護活動開始が必要不可欠といえます。
前科を避ける不起訴処分のために最も重要なのは、被害者との示談交渉です。
被疑者・被告人だけでなく、被害者の方ともしっかりと信頼関係を構築し、迅速な弁護活動を行う必要性があるため、弁護人の選任は慎重に行う必要があります。
泉総合法律事務所は、被疑者・被告人のためにどのような対処方法が最適なのかを考え、早期釈放・不起訴を目指し全力でサポートいたします。
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